障害者と役所と世間一般の目と私
昨日BSで『最強のふたり』と言う映画をやってた。
タイトルだけ診ると刑事物のようだが全く違って頸椎を痛め下半身不随の超リッチな中年男フィリップとスラムに住む黒人男性ドリスの実話を基にした話だ。
ドリスは介護士の募集に面接に行く、それは仕事を求めてではなく、求職活動をしたという書類のためだ。それを3枚集めると就職センターで手当てが貰える
で、そこからフィリップとの間に奇妙な友情?が芽生え・・・と言う話でいわゆるヒューマンコメディだ。
僕としては好きな映画だが今日書く記事の本題とは別
その面接に来た人達の面接の様子が興味深い
勉強をしてたので実務経験はないが法制度のことはよく知っている青年
介護士資格を持って高齢者の介護を長くやってきたと自慢気に言う中年
面接の応対もしどろもどろな男
志望動機を聞かれると
『お金』という人正直でいいと思う
『障害者が好き』と言う人キモ!
『何もできない人に何かをしてあげたい』と言う人やっぱりキモ!
結局ドリスが1ヶ月テスト的に雇われることになる
初めて外出に付き添う時フィリップの乗る介護設備のある車を見る
『え~これに乗るのか?それも後ろに?あんた競争馬か?』
といって横に留まっていた車のカバーを剥がすとマセラッティが止まっている
『すげえ!これで行こうぜ!』と言って強引にフィリップを乗せる
ドリスは眉を顰めたくなるような発言もする
ドリスがチョコレート菓子を食べてると、フィリップがそれはどんなのだと聞く
ドリスは『これはダメだ、これは健常者用のチョコチップだ』なんてことを言う
日本でなら脚本家は絶対に書かないセリフだ。もし書けば障害者団体からクレームがつきメディアを通じて謝罪する羽目になる
そして日本の障害者に対する対策、認識に絶対的な誤りがここにある
障害者は家でおとなしくしてろ
障害者は家族が面倒を見ろ
障害者は労われ、そして障害者自身人に迷惑をかけるな!
障害者どうしが結婚?誰がその面倒を見るんだ!
障害者が出産?まともな子が生まれるのか?
無知と無関心と無責任が障害者を囲い込み、ナチスのワルソーゲットーのように身体だけでなく心まで閉じ込めようとする
日本人の美徳の一つの『他人に迷惑をかけないで生きる』と言うのをどこかはき違え、人の手を借りることは迷惑だという認識が蔓延しているのかもしれない
哀しいかな多くの障害者は自分一人ですべてのことが出来るわけではない。だから障害者なのだ
トイレやお風呂を人の手を借りてしか入れない人もいる
そういう障害者を汚い物でも見るような人もいる
だからと言って他人が自由に生きる権利を侵害しても良いことにはならない
『あんたら重度の障害者は人としての権利は50%カットね』
『あんたら重度の障害者が自分がやりたいことをやるなんて我儘よ』
障害者が何か人の役に立ちたいと考えても『自分の面倒も見られない人がどうやって人の面倒を見るのよ』なんて言われる(これは僕自身が実姉に言われた)
笑うに笑えない笑い話のようだが法整備はともかく社会はそれで動いてしまっている
中小企業の社長が『かたわを雇ってやってるんだから給料安いのは当たり前だろ』と言う認識がいまだに通り、逆に障害者の権利を認める会社では『何で俺があいつと同じ給料やねん』なんて言う同僚がいる
それが現実だ
障害者差別解消法は差別があるからそういう法律を作らなければならないのだ
役所の担当者の一人一人の認識、人々の障害者への考えを改めるには何年も何十年もかかる。それほど根深く、そしてそこには健常者の優越感と言う闇が潜んでいる
『あ~こんな障害者でなくてよかった』という自分と障害者との間に線を引き、『あんたらとは住む世界が違うのよ』と言う意識だ。なんて言い方はあまりに悪意すぎるか
つまり健常者はどんなに障害者に寄り添う人でもどこかに越えられない壁がある
彼らは障害者ではないからだ
『そんな障害があってかわいそう』と言うのはそんな障害が無い私はなんて幸運なの、と自分を安全な立場に置いたうえでの『かわいそう』なのだ
ハローワークで求職すると障害者であることを明記しなければならなず、明記するとほぼ100%就職は成らない
おかしな話だがそれも現実だ
だけど現実を現実として受け入れてしまっていては何の進歩も無い
誰かがこの状況を変えてくれる・・・ではなく自分たちが変えなければ話は進まない
障害者がビル建設のトビをやるのは少々無理がある
ならば自分の出来る範囲・・・よりちょっと超えたところで頑張って表現者なりになり自分の存在を世に知らしめればいい
1000人の中の一人だけが右を向いてもそれは埋もれてしまうが10000人の中の10人だと気づく人がいる
10万人の中の100人だとかなり目立つのだ
割合は一緒でも数は物事を良い方へ変える力になりえる。
あ~いつも通り何を言いたいのかよくわからない記事になってしまった
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